project

「Simply For Your Pleasure.」がグループ全体のMissionとなるまで

トリドールグループ内の事業分社化が本格始動し、新型コロナウイルスの感染が拡大するなど、社内外で大きな変化が続いています。そんな中、トリドールは改めてグループの軸となるMission、Vision、Toridoll-er’s Valueを皆さんと共有しようとしています。

「2025年度、全世界6000店、売上高5000億円を目指す」という中期経営計画で掲げた数値目標は事業会社としてもちろん重要ですが、何よりも大切にしているのは、トリドールの根源的なあり方を示すMissionの徹底的な浸透です。これらを共有することで、今まで以上に一致団結して外食産業に変革をもたらしつつ、人材開発企業としての成長を加速しようというわけです。

そこで今回は特集シリーズとし、粟田社長を筆頭にトリドールグループのリーダーたちからのメッセージをお届けします。

鳶本 真章

私が入社したのは2018年で、すでにこの会社のMissionとして「Simply For Your Pleasure.」が存在していました。ですから、今日は改めて粟田社長にどういう経緯でこのMissionが生まれたのかを教えてもらうところから始めたいと思うんです。
粟田 貴也

「ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける地域一番店を創造していこう」、これが今からおよそ30年前の創業期にトリドールが掲げていたMissionです。当時は焼き鳥屋や女性をターゲットにした洋風居酒屋などを展開し、繁盛していた時期もありましたが、安定して継続的にお客様に来ていただくことが叶わず、どうすればいいのか思い悩んでばかりいたんです。それでもようやくわかりかけてきたのは、奇をてらって客寄せの小細工をするのではなく、混じりけのない本物を食べていただくことが大切だということ。そうして喜びを感じてくれたお客様なら、二度三度と店に足を向けてくださるに違いない、と。そうして2000年、香川県の丸亀市を訪れた際に衝撃的な光景を目にしたわけです。
鳶本 真章

丸亀製麺が誕生する時のいきさつですよね。いったい何に衝撃を受けたんですか?
粟田 貴也

父の田舎でもあったうどん県の香川には、昔から街のあちこちにうどんの製麺所があった。それくらいは知っていたのですが、何に衝撃を受けたのかといえば、一見何の変哲もない製麺所の前に大行列ができている様子でした。美味いうどんを食べるために、たくさんの人が並んでいる。しかも皆、嬉しそうにワクワクした表情も浮かべている。「あ、これだ!」と感じました。お客さんがたくさんいること以上に、皆が皆、喜びで少々興奮気味の顔をしていること。「この喜びや興奮を届けるために自分はこの仕事をしてきたんだ。そして、これこそが繁盛店を創り出すための核心だ」と。
鳶本 真章

そうして「喜び=Pleasure」をシンプルに追求するのがトリドールだ、ということになり、“すべてはお客様のよろこびのために”を意味する、「Simply For Your Pleasure.」が誕生したわけですね? でも、根本的な精神は「ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける……」という以前のMissionと変わらない。
粟田 貴也

ある意味、答えが見つかったという感覚です。「多くのお客様にいつまでも愛され続ける」には何が必要か、という問いかけに対する答えが「喜び=Pleasure」だった。「お客様を喜ばせるものとは何なのか」を見事に表していたのが丸亀市で目にした製麺所。目の前で作られていくうどん、大きな釜でゆであがっていく光景、それを見てお客様は興奮している。何の飾り気もなく、ありのままをシンプルに見せているだけだけど、その様子こそがお客様を喜ばせ、そうして生まれる本物の味が「また来よう」と思わせている。だったらこれをウチで再現しよう、と奮い立ち丸亀製麺を立ち上げました。
鳶本 真章

目の前で作りたての美味しいうどんが出来上がっていくのを見ていただくために、オープンでシンプルなスタイルをあえて選び、本当に何度食べても美味しいうどんを提供する。それが丸亀製麺の奇跡の始まりだったし、「Simply For Your Pleasure.」というMissionにつながったということですね。
粟田 貴也

まあ、結果として成功したものの、当時は批判や冷笑をたくさんいただきましたよ。今どきコストのかかる「全店で出来たてを提供」にこだわっていたら、いつまで経っても大きなチェーンには育たない、とね。
鳶本 真章

それでも曲げなかった。コストカットして利益率を上げて、味の再現性も確保できるセントラルキッチンを用いようとはせずに「全店で出来たて」にこだわったんですよね? そこに「喜び=Pleasure」という欠かすことのできない「核心」があると信じて。
粟田 貴也

その通りです。極論すれば、なにも「うどんは手づくりじゃなきゃダメだ」なんていう哲学めいたものにこだわったわけではないんですよ。手づくりをしている姿を見てもらい喜んでもらう。そしてそれがちゃんとお客様に満足いただける味で「よそとは違うね、また食べたいね」と感じられるものだという点が大切。
鳶本 真章

「うどんだから」ではなく、トリドールが展開していくビジネスにおいて、共通して目指していくこだわりがその「喜び=Pleasure」にある。お客様に喜んでもらうために我々は事業をするんだ、という思想。だから全社的なMissionになったということですね。
粟田 貴也

そうです。もっと細かく言うのであれば、目指すゴールが「手づくり、できたて」なのではなく、それを出発点にして「もっと喜んでもらい、もっと興奮してもらい、たくさんの人に何度も来てもらう」ことを目指していく。主役はあくまでお客様。そういう意味合いのMissionなんです。だから、すべてのトリドール関係者がもっともっとこの価値観を魂に刻み込んでほしいし、日々の仕事に活かしてほしい。社長も店長もパートナーさんも、このMissionの前では等しく忠実でなければ、「愛される繁盛店」なんて生まれないと私は確信しています。

(つづく)

MVV浸透プロジェクト 企画/編集:浜田 薫

2016年入社。新卒対象の入社式・入社時研修のカリキュラム構築、PS店長/時間帯責任者研修の講師を担当。
その他は、LIFO・HEPライセンス取得。前職(航空会社勤務)での接客知識・技術を生かし、新卒・中途社員からカフェ業態を対象に接客サービス講習を担当。
現在は、組織開発部と人材開発課に所属し、国内外問わず、トリドールグループ全体がMVVでつながる強い組織を目指すために、経営理念・Toridoller’s Valueの発信施策を構築。
次世代経営者や等級別の育成プログラムの構築に取り組んでいる。

MVV浸透プロジェクト 企画/編集:中島 杏子

外資系小売りチェーン広報、製薬会社広報などを経て、2020年6月トリドールホールディンスへ入社。経営戦略本部にてコーポレート広報に従事。トリドールの魅力を広めることにコミットしている。プライベートでは、愛猫(2匹のおばあちゃま)と横浜DeNAベイスターズとヨガとハワイをこよなく愛する。将来は、家族と共に都会と田舎のW生活を送りつつ、ハワイに年間3カ月滞在することを目標としている(ゴールは見えていないけれど本気!)。