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研修担当者が語るトリドールの新しい新卒社員教育とは?

トリドールでは8年前から新卒採用を行っており、今年も176名の方々を迎え入れました。
若手が活躍するトリドールでは、新卒社員への期待が年々高まっている傾向にあります。そんな中、受け入れる現場の社員・パートナースタッフ(以降、「PS」と表記)の方々には、新卒社員との接し方や教育の仕方に疑問・不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。そこで、内定から入社まで新卒社員と関わってきた研修担当者に、新卒社員教育について聞いてみました。

トリドールで輝ける人 = 自立自走できている人?

逸見 理紗子
内定式後から配属に至るまでの研修について伺っていきます。
まずは内定期間中についてですが、その期間中は企業によって取り組みが違いますよね。研修や課題が全くない企業もありますが、トリドールは研修も課題もありますよね。正直その時期って、卒論や卒業旅行など、学生生活最後の時間を謳歌しようと忙しい学生も多いと思いますが(笑)
遠藤 敏生
そういった声はかなり聞きますね(笑)
彼らにとってその期間が貴重だというのは重々理解しています。

遠藤 敏生
2016年新卒4期生で入社。
丸亀製麺で営業の勤務を経て、新入社員のメンター、トレーナーを担当し、昇格試験の作成や運営に携わった。
現在はトリドールホールディングス人材開発課に所属し、新入社員の育成カリキュラムの再構築や評価制度を担当している。採用、教育、評価を一貫して行い、社員一人ひとりが楽しく働ける組織を目指して横断的に活動している。

逸見 理紗子
それでもやる理由は何でしょうか。
遠藤 敏生
内定期間には、彼らの入社3年後から逆算した行動とそのベース作りのための研修、課題を行っています。
逸見 理紗子
3年後といいますと?
遠藤 敏生
入社3年後には、個々が各場所で、主役として活躍しているのが理想的で、今トリドールで輝いている人を振り返ってみてみると、その時期にそのレベルに達している傾向にあります。
その人たちは入社1年後の段階でどういう状態だったのか考えたとき、個々人が周りから認められてきて、様々な部署から、「あの子、うちの部署に来てほしい。」と指名される状態なんです。
逸見 理紗子
そういった方は内定の段階から目を付けられていると思っていたのですが、違うのですか?
遠藤 敏生
それが、したくてもできないんです。確かに内定式や入社式で伸びそうな人を探します。でも学生ですから未知数です。学生時代に良い意味で目立つ人がいても、実際に入社してからでないとどうなるかなんて分からないんですよ。入社後1年間は注目されるため、内定期間からその土台は作っておきたいというのが我々の想いです。
逸見 理紗子
そんなに見られていたとは。私の場合、同期が200人強もいたので正直名前も顔も覚えられていないと思っていました(笑)実際に入社1年後に名前が挙がる人は、他の人と何が違うのですか?
遠藤 敏生
新卒社員が思う以上に先輩社員は見ています。名前が挙がる人は、自立自走できているんです。
逸見 理紗子
遠藤さんの考える自立自走とは?
遠藤 敏生
自分ができる・できていないこと、やりたい・やりたくないことをインプット・アウトプットする習慣が身についている状態です。自分のできているところを伸ばしアウトプットできるし、できていないことは素直に受け止めてインプットできる。更にどうしたいかの意思表示ができている。しっかり自分で考えて行動できることです。
逸見 理紗子
それは私もよく指摘を受けます。全然できていない(笑)
できる・できないことを理解できていても、自分がどうしたいのか意思表示できないことがあり、その逆もありますよね。どちらもできるのはそう簡単ではないですよね。
内定期間はそのベース作りとおっしゃっていましたが、具体的には何をしていたのですか。
遠藤 敏生
内定者に入社までに身に付けるように課していたことは、6つあります。
逸見 理紗子
6つですか?
遠藤 敏生
はい。6つといっても、意識すればできるはず。
①笑顔 ②元気 ③挨拶 ④報告・連絡・相談 ⑤身だしなみ ⑥飲食を好きでいること
この6つです。
逸見 理紗子
なるほど。①~⑤に関しては、社会人に共通する基本中の基本といったところでしょうか。
遠藤 敏生
はい。ベース作りなので。言葉では簡単でも結構重みがあるんです。
新卒社員に対して上がる声って、全然挨拶がないとかコミュニケーションが取れないとかで、アルバイトの経験有無やオペレーションができることとは関係ないんです。
どんなにオペレーションができていてもコミュニケーションの取り方を間違えると、一緒に働く仲間からすると距離を置きたい存在になりますよね。
逸見 理紗子
はい。現実的には。
遠藤 敏生
そのくらい、お客様のよろこびのために本気なんです。
例えば、お店のスタッフに挨拶できていないのに、お客様に挨拶ができるか、という話です。
逸見 理紗子
確かに。それに、スタッフ間のコミュニケーションは、思っている以上にお客様にも伝わっていますよね。
⑥飲食を好きでいることに関しては、トリドールにエントリーした時点でみんな飲食が好きだと思っていたのですが、あえて設定した意図を教えていただけますか?
遠藤 敏生
やはり社員として働くわけですから、本当に飲食が好きなのか再確認してほしかったんです。アルバイト感覚でなんとなく飲食が好きとか、目先の目標の通過点として働いてもらっては困ります。働いていたら本当に飲食が好きかどうか伝わります。お客様にとっても働く仲間にとっても失礼なことはしてほしくないんです。PSの方からすると、1日目であっても10年目であっても、社員は社員なんですよ。だからもし、“やっぱり飲食ではないかも”と少しでも思ったのなら、内定期間中に辞退することも受け入れます。
逸見 理紗子
そこまでとは・・・。
ところで、この6つができることと、インプット・アウトプットができるというのはどういう関係性があるのでしょうか。
遠藤 敏生
この6つができていないと、トリドールではインプット・アウトプットをできる環境を作れません。
新卒は、社員といえども店舗に配属された時点では、何もできません。
研修でも一通りはオペレーションを学びますが、店舗でPSさんから本格的なオペレーションを教わります。
10年プレーヤーなど経験豊富なPSさんも多く、その方々がトリドールを作ってきたと言っても過言ではありません。その方々に敬意をもってこの6つは身に着けて臨んでほしいです。
逸見 理紗子
確かに。私もPSさんからオペレーションを始め仕事において大切な事をたくさん教えていただきました。
ところで、2019年卒の内定者には、できたことノートを毎日提出するという課題があったと思うのですが、今年の内定者は行わなかったのでしょうか。
遠藤 敏生
行いましたよ。ただ、課題の形を変えました。2019年卒のように強制はせず、必要かどうか、やるかどうかは内定者本人にゆだねていました。
逸見 理紗子
私たちは提出期限に曜日と時間の指定まであり、正直大変だったので羨ましいです(笑)
しかし、なぜ緩和されたのでしょうか?
遠藤 敏生
これまで強制していたことで、内定者が受け身になる傾向がありました。でも私たちが望んでいるのは「自立自走」できる人です。強制することはそれに逆らっていると思ったんです。
だから内定者に課した6つも、既に身に付いていると判断したことはもっと磨き、不足していると判断したことはインプットの方法を考えて行動してほしい。そうした行動を最大限引き出せる環境にしたんです。

新たなスタイルの新入社員研修とは?

逸見 理紗子
研修って聞くと、拘束時間の長さや決まり事が多いイメージで、入社前は行う意図も見えにくかったので正直ネガティブな印象があります。
遠藤 敏生
そう思う人は多いですよね。実は我々も内容を考え直して、今年から研修の形を変えました。
逸見 理紗子
あの厳しい研修は伝統行事のように続くと思っていたのですが(笑)
遠藤 敏生
伝統行事、確かにそうなんですよね(笑)トリドールの新卒社員はあの研修を受けるのが試練のようになっていたのは事実です。能力発揮講習、きつかったですよね?(笑)
逸見 理紗子
はい、本当に。行動指針や接客用語を暗唱したり大声で挨拶したり(笑)
遠藤 敏生
決して能力発揮講習に意味が無い訳ではないですし、実はぎりぎりまでやる予定だったんですよ。
逸見 理紗子
なぜ急に実施しなくなったのですか?
遠藤 敏生
実は、実施することにどこかひっかかっていて。実際はこちら側のエゴなだけで、誰にとってプラスなのかって。
逸見 理紗子
研修担当者からその言葉が出るとは。
遠藤 敏生
個々人はこれで良いのかという気持ちは抱いていたのだと思います。能力発揮講習だけではなく全体的に、本当に1日かけて集まってまでやる必要があるものなのかと。
逸見 理紗子
正直、私も研修受けながら薄々思っていた部分はありました(笑)
遠藤 敏生
そう思う人もいたと思います(笑)
それに、今まで内定期間中に行ってきたことと繋がっているのかって考え直したんです。内定期間と同様に、自立自走できる人に育ってほしいと言っておきながら、いきなり強制させるっておかしいと気付いて。学校教育も入社する人も変わろうとしているのに、そこを無視して例年同じで良いのかって。その違和感を研修メンバーが持ち始めて。
逸見 理紗子
研修担当者自身から“研修に疑問を持っていた”というお話を伺えるとは思いませんでした。自身の業務に賛否両論で考えられるのはなかなかできないことかと。
ところで、今年はどのようなカリキュラムになるのですか?
遠藤 敏生
とにかく自立自走できるようにしました。例えば講習では、1日ごとのゴールを決めて、講
師のスタイルやその場の状況で講師が内容を変更できるようにしました。
逸見 理紗子
昨年は、講師全員がセリフを覚えているようなスタイルでしたよね(笑)
遠藤 敏生
そうですね。また、強制的に学習させるスタイルを止め、自己学習のスタイルに変えました。
逸見 理紗子
これも、自立自走に繋がるということですね。
遠藤 敏生
はい。徹底的に自分たちで考えて学びたいことを自由に学んでいけるスタイルです。
iPadや書籍を多く準備して、学習できるようにもしました。外食について学びたければ他の外食産業について調べても良い、クリップラインでオペレーションを予習しても良い、読書の習慣を身に付けることも良いし、休憩したいときは休憩して良いというように。
逸見 理紗子
本当に昨年とは全く違ったスタイルですね。
そこまで徹底した「自立自走」できる教育を受けている2020年卒の新卒社員が楽しみです。
遠藤 敏生
実は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、研修は延期になったのですが(笑)
逸見 理紗子
そんな、ここまで沢山語っていただいたのに・・・。
遠藤 敏生
非常に残念です。
ただ、今年だけではなく今後も新卒の教育については考え続け、我々が携わった新卒社員たちが個性を発揮しながらトリドールで輝き続けることを目指していきます。さらにはトリドール以外の市場でも活躍できる人材へと育成したいですね。
逸見 理紗子
最後に、今年の新卒に向け一言いただけますか。
遠藤 敏生
不安は大きいかもしれませんが、彼らを信じています。まずは内定期間中に行ってきたことを店舗で発揮してほしいです。強制はしたくないのでアドバイスとして伝えます。
1日5分だけでも、自分が学びたいことなら何でも(仕事に直結しなくても)良いのでインプット・アウトプットする時間を設けてほしいです。そして、お客様から見て自分はどうなのか振り返り、次にどう繋げるか自ら考え行動し、自立自走できる人になってほしいです。